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少額訴訟とは?60万円以下の請求を自分で行う方法

法太郎 公開:2026年4月26日
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、弁護士・司法書士等の専門家による個別相談の代替となるものではありません。具体的な法律問題については専門家にご相談ください。

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少額訴訟とは

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる、簡易かつ迅速な裁判手続きです(民事訴訟法368条〜381条)。最大の特徴は、原則として1回の期日(審判の日)で審理が終結し、即日に判決が言い渡される点にあります。

通常の裁判(地方裁判所での民事訴訟)では、弁護士費用や時間的コストが大きく、個人が少額の債権を回収するために訴訟を起こすのは現実的でないケースも多くあります。少額訴訟は、このような問題を解決するために設けられた制度で、弁護士なしでも個人が自力で手続きを進められるよう設計されています。


主な利用場面

少額訴訟は、以下のような場面で特に活用されます。

  • 敷金・保証金の返還請求:退去後に大家がなかなか返してくれない場合
  • 売買代金・請負報酬の未払い請求:物品代金や工事代金を払ってもらえない場合
  • 貸したお金の返還請求:友人・知人への貸付金が返ってこない場合
  • 損害賠償請求:交通事故の軽微な損害・物損など
  • 残業代・未払い給与の請求:少額の労働債権の回収

ポイントは「金銭の支払いを求める」請求に限られる点です。物の引き渡しや行為の差し止めなど、金銭以外の請求には少額訴訟を利用できません。


通常訴訟との違い

少額訴訟と通常の民事訴訟(地方裁判所)を比較すると、以下のような違いがあります。

比較項目少額訴訟通常訴訟
請求上限60万円以下制限なし
審理期日原則1回複数回(数ヶ月〜1年以上)
申立先簡易裁判所地方裁判所(訴額140万円超)
弁護士不要(本人申立て可)実質的に必要なケース多い
証拠即時に調べられるもの限定制限なし
費用低額高額になりやすい

少額訴訟のデメリットとして、相手方(被告)が「通常訴訟への移行」を求めた場合は、通常の裁判手続きに切り替わることがあります。相手方にその意図がある場合は事前の準備が重要です。


申立て先と費用

申立て先は、相手方(被告)の住所地を管轄する簡易裁判所です(当事者間の合意で別の裁判所を選ぶことも可能な場合があります)。

申立手数料(収入印紙代)は以下のとおりです。

請求額申立手数料(印紙代)
10万円以下1,000円
20万円以下2,000円
30万円以下3,000円
40万円以下4,000円
50万円以下5,000円
60万円以下6,000円

印紙代のほかに、相手方への呼出状の郵便代として予納郵便切手が必要です(裁判所によって異なりますが、数千円程度)。合計で1万円前後から手続きを始められます。


申立ての手順

1. 書類を入手・作成する

簡易裁判所の窓口または裁判所公式サイトから「少額訴訟申立書」を入手します。申立書には以下を記載します。

  • 当事者の氏名・住所(原告・被告)
  • 請求の趣旨(「〇〇円を支払え」という求め)
  • 請求の原因(なぜ支払い義務があるかの事実経緯)
  • 証拠の概要

2. 証拠書類を準備する

審理当日に提出できる証拠(即時調査可能なもの)を用意します。

  • 契約書・借用書・覚書
  • 領収書・請求書・通帳のコピー
  • メール・LINEのやり取りの印刷物・スクリーンショット
  • 写真・動画など

証拠は当日に調べられるものに限られますので、事前に整理し、コピーを複数用意しておくと安心です。

3. 簡易裁判所の窓口に提出する

申立書・証拠書類・収入印紙・予納郵便切手を持参し、簡易裁判所の窓口で申立てを行います。書類の不備がある場合はその場で指摘してもらえることが多いので、事前に窓口で確認することも有効です。

4. 期日(審判の日)に出頭する

裁判所から期日の通知が届いたら、指定された日時に必ず出頭します。相手方(被告)にも呼出状が送られます。

5. 審理・判決または和解

審理当日は、裁判官の前で原告・被告が主張を行い、書証を調べます。裁判官が和解を勧める場合もあります。和解不成立の場合は即日判決が言い渡されます。


審判当日の流れ

当日の流れは概ね以下のとおりです。

  1. 開廷:裁判官の確認のもと、双方が出頭していることを確認
  2. 主張:原告・被告がそれぞれ請求内容・反論を説明
  3. 証拠調べ:契約書・領収書などの書証を確認
  4. 和解の試み:裁判官から和解案が提示される場合がある
  5. 判決:和解不成立の場合は即日判決

審判には必ず本人が出頭する必要があります(代理人による出頭は弁護士または一部の親族等のみ可)。欠席すると相手の主張を認めたとみなされ、不利な判決が出る可能性があります。


判決後に相手が支払わない場合:強制執行

少額訴訟で勝訴判決を得ても、相手が自発的に支払わない場合は強制執行の手続きが必要です。強制執行では、相手の財産(預金口座・給与・不動産など)を差し押さえることができます。

強制執行の主な手続きは以下のとおりです。

  1. 勝訴判決に「執行文」を付与してもらう(裁判所書記官に申請)
  2. 相手の財産を特定する(どの銀行の口座か、勤務先はどこかなど)
  3. 裁判所に強制執行申立て

ただし、強制執行には相手の財産情報が必要であり、それを入手する手続き(財産開示手続など)も別途必要になる場合があります。手続きが複雑なため、この段階から弁護士に相談することを検討してください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 少額訴訟は年に何回でも使えますか?

同一の簡易裁判所に対して、年間10回までという利用制限があります。また、1つの債権をあえて分割して複数の訴訟を起こすことは認められていません。

Q2. 60万円を少し超える請求はどうすればよいですか?

60万円を超える場合は少額訴訟が利用できません。同じ簡易裁判所で通常の民事訴訟を起こすか(140万円以下は簡裁が管轄)、地方裁判所で民事訴訟を提起することになります。なお、請求額を自発的に60万円以内に減額して少額訴訟を利用することも可能ですが、その場合は超過分の請求権を放棄したことになる点に注意が必要です。

Q3. 相手が「通常訴訟に移行させたい」と言いました。どうなりますか?

被告が審判の期日において通常訴訟への移行を求めると、少額訴訟から通常の民事訴訟手続きに移行します。この場合、審理が長期化する可能性があります。相手が移行を求めることを見越して、事前に証拠を十分に整理しておくことが重要です。

Q4. 勝訴判決が出たのに相手が無視しています。どうすればよいですか?

強制執行の申立てを行います。相手の勤務先や預金口座を差し押さえることができますが、そのためには相手の財産情報が必要です。財産開示手続や第三者からの情報取得手続(金融機関への照会など)を利用することも可能です。専門家への相談をお勧めします。


まとめ

少額訴訟は、60万円以下の金銭請求を原則1回の審判で解決できる、個人にとって非常に使いやすい制度です。申立て費用は数千円〜1万円程度と低額で、弁護士なしでも手続きが可能です。敷金の返還・貸金の回収・売買代金の未払いなど、日常的なお金のトラブルに幅広く活用できます。

一方で、相手が通常訴訟への移行を求めた場合の対応や、勝訴後の強制執行手続きには専門知識が必要なケースもあります。「まず自分で申立てを行い、複雑な段階で専門家に相談する」というアプローチも有効です。

証拠の準備と期日への確実な出頭が少額訴訟成功の鍵ですので、書類をしっかり整理したうえで手続きを進めてください。お近くの簡易裁判所窓口や法テラスでも、手続きに関する無料相談を受け付けています。

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法太郎

法務ナビ運営者・個人事業主のITエンジニア

法務省・法務局・裁判所ウェブサイト・国税庁・e-Gov法令検索などの一次資料を起点に、生活で発生する法務手続きと費用を整理してまとめています。 記事はAIで初稿を生成したのち、別のAIによるファクトチェックと運営者の確認を経て公開しています。 プロフィール詳細 → 編集ポリシー →

※ 弁護士・司法書士・行政書士の資格は保有していません。重要な法的判断は専門家にご相談ください。

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