不動産登記とは?種類・費用・自分でやる方法
本記事は一般的な情報提供を目的としており、弁護士・司法書士等の専門家による個別相談の代替となるものではありません。具体的な法律問題については専門家にご相談ください。
不動産登記とは
不動産登記とは、土地・建物の権利関係(所有者・抵当権など)を法務局(登記所)の登記簿に記録する手続きです。登記することで第三者への権利の主張が可能になります。
日本では「登記しなければ権利を第三者に対抗できない」という原則(対抗要件主義)が採られています。つまり、土地や建物を購入しても登記をしなければ、同じ不動産を別の人に売られたとき(二重売買)に、先に登記した相手方に権利を主張できなくなります。
不動産登記には大きく分けて2種類あります。表題登記(土地・建物の物理的な状況を記録するもの)と権利登記(所有権・抵当権などの権利関係を記録するもの)です。表題登記は土地家屋調査士が、権利登記は司法書士が担当するのが一般的です。
不動産登記の種類
不動産登記にはさまざまな種類があります。それぞれの場面で必要な登記が異なります。
| 登記の種類 | 主な場面 |
|---|---|
| 所有権保存登記 | 新築建物を初めて登記するとき |
| 所有権移転登記 | 売買・相続・贈与で不動産の名義を変えるとき |
| 抵当権設定登記 | 住宅ローンを借りるとき |
| 抵当権抹消登記 | 住宅ローンを完済したとき |
| 住所変更登記 | 引っ越しで住所が変わったとき |
| 氏名変更登記 | 結婚・離婚などで氏名が変わったとき |
| 建物表題登記 | 新築建物を登記簿に初めて載せるとき |
| 滅失登記 | 建物を取り壊したとき |
所有権保存登記
新築の建物を初めて登記するときに行う登記です。建物が完成しても自動的に登記されるわけではなく、所有者が申請しなければなりません。住宅ローンを利用する場合は、この所有権保存登記と同時に抵当権設定登記も行います。登録免許税は固定資産税評価額の0.4%(一定の住宅要件を満たす場合は0.15%の軽減税率あり)です。
所有権移転登記
不動産の所有者が変わるときに行う登記です。売買・相続・贈与・財産分与(離婚時)などのケースがあります。売買の場合は売主と買主が共同で申請します。登録免許税の税率は取得原因によって異なります(売買:評価額の2%、相続:0.4%、贈与:2%)。
抵当権設定登記
住宅ローンを借りる際に、金融機関が担保として不動産に設定する権利(抵当権)を登記するものです。住宅ローン利用時は必ず必要です。登録免許税は債権額(借入額)の0.4%(一定要件を満たす住宅は0.1%の軽減税率あり)です。
例:借入額3,000万円の場合、本来の登録免許税は12万円(3,000万円×0.4%)ですが、軽減税率適用時は3万円(3,000万円×0.1%)となります。
費用の内訳
不動産登記にかかる費用は、「登録免許税(国税)」と「司法書士報酬(専門家に依頼する場合)」の2種類です。
登録免許税(国税)
固定資産税評価額×税率で計算します。税率は登記の種類によって異なります。
| 登記の種類 | 標準税率 | 軽減税率(条件あり) |
|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% |
| 所有権移転登記(売買) | 2.0% | 1.5% |
| 所有権移転登記(相続) | 0.4% | ー |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% |
| 抵当権抹消登記 | 不動産1件1,000円 | ー |
軽減税率は、主に自己居住用住宅(床面積50㎡以上など)が対象です。条件は複数あるため、事前に確認が必要です。
→ 登記費用計算ツールで税額を確認
司法書士報酬(依頼した場合)
司法書士に依頼した場合の報酬は、登記の種類・物件の数・地域によって異なりますが、目安は以下の通りです。
| 登記の種類 | 報酬目安 |
|---|---|
| 所有権移転登記(売買) | 5〜10万円 |
| 所有権移転登記(相続) | 5〜15万円 |
| 抵当権設定登記 | 3〜8万円 |
| 抵当権抹消登記 | 1〜2万円 |
これに登録免許税が加わります。不動産の購入・住宅ローン利用時は、所有権移転登記・抵当権設定登記・場合によっては所有権保存登記も必要になるため、諸費用合計で数十万円になることもあります。
登記申請に必要な主な書類
登記の種類によって必要書類は異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。
所有権移転登記(売買)の場合:
- 登記申請書
- 売買契約書
- 固定資産税評価証明書
- 売主の登記識別情報(権利証)
- 売主の印鑑証明書(3ヶ月以内)
- 買主の住民票
- 収入印紙(登録免許税分)
相続による所有権移転登記の場合:
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書(遺言がない場合)
- 固定資産税評価証明書
自分で申請することはできる?
可能です。 法務局の窓口・郵送・オンライン(登記・供託オンライン申請システム)で申請できます。
ただし、以下のケースでは司法書士への依頼が現実的です。
- 住宅ローンを使う場合:金融機関の指定で司法書士が必須となるケースがほとんどです。融資実行当日に確実に登記が完了する必要があるため、プロへの依頼が求められます。
- 書類が複雑な場合:相続が複数回発生している、共有持分がある、などの場合は書類の収集・整理が複雑になります。
- 時間的余裕がない場合:法務局の受付時間(平日の午前9時〜午後5時15分)に訪問できない場合は、オンラインや郵送での申請が必要になります。
一方、抵当権抹消登記や住所変更登記などのシンプルな手続きであれば、自分で申請することも十分可能です。法務局の窓口相談(無料)を活用すると、書き方のアドバイスをもらえます。
オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)の使い方
法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」を使えば、平日の午前8時30分〜午後9時まで自宅から申請できます(一部の添付書類は別途郵送)。
申請の流れは以下の通りです。
- 申請用総合ソフトをダウンロードしてインストール
- 申請書類を作成(テンプレートあり)
- 電子署名を付与して送信
- 登録免許税をオンライン納付
- 紙の添付書類は法務局に郵送
初めての場合はやや操作が煩雑ですが、手続きが完了すれば補正の連絡もオンラインで受け取れます。
相続登記は2024年から義務化
相続で不動産を取得した場合、知った日から3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料が課される可能性があります(2024年4月1日施行)。以前に発生した相続についても、2027年3月31日までに手続きが必要です。
相続登記の義務化は、所有者不明土地問題への対策として導入されました。手続きを先送りにすることなく、早めに対応しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 登記しなかった場合、どうなりますか?
所有権の登記をしなかった場合、第三者に対して権利を主張できなくなるリスクがあります。特に売買や贈与では、登記を怠ると「二重売買」で権利を失う可能性があります。また、相続登記の場合は2024年から義務化されており、怠ると過料(10万円以下)が課されることがあります。
Q2. 固定資産税評価額はどこで確認できますか?
毎年春(4月頃)に市区町村から届く「固定資産税・都市計画税納税通知書」に記載されています。また、市区町村の窓口で「固定資産税評価証明書」を取得することもできます(1通300〜400円程度)。不動産登記の申請には評価証明書の提出が必要です。
Q3. 共有で購入した場合の登記はどうなりますか?
共有不動産の登記では、各共有者の持分(例:夫2分の1、妻2分の1)を登記します。住宅ローンの契約形態(単独・ペアローン・連帯債務など)によって持分の割合が変わることがあります。税務上の問題(贈与税・控除の適用)にも影響するため、購入前に慎重に検討してください。
Q4. 不動産を購入してから登記まで時間がかかってもいいですか?
売買契約後、残金決済(引渡し)と同日に登記申請するのが通常です。決済後に登記が遅れると、その間に売主が別の担保を設定したり、差し押さえを受けたりするリスクがあります。特に住宅ローンを利用する場合は、融資実行と登記申請が同日行われるよう司法書士が段取りします。
まとめ
不動産登記は、土地・建物の権利を守るための重要な手続きです。登記をしなければ、せっかく購入・相続した不動産の権利を第三者に主張できなくなるリスクがあります。
費用は登録免許税(国税)と司法書士報酬の合計ですが、登記の種類や物件によって大きく異なります。事前に見積もりを取ることをおすすめします。
自分で申請できる場面もありますが、売買・住宅ローン利用時は司法書士に依頼するのが現実的です。相続の場合は2024年から義務化されているため、3年以内に手続きを完了させましょう。不明点は法務局の窓口相談(無料)や司法書士への相談で解決できます。
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法太郎
法務ナビ運営者・個人事業主のITエンジニア
法務省・法務局・裁判所ウェブサイト・国税庁・e-Gov法令検索などの一次資料を起点に、生活で発生する法務手続きと費用を整理してまとめています。 記事はAIで初稿を生成したのち、別のAIによるファクトチェックと運営者の確認を経て公開しています。 プロフィール詳細 → 編集ポリシー →
※ 弁護士・司法書士・行政書士の資格は保有していません。重要な法的判断は専門家にご相談ください。